デザインでシンプルにつたえる、里山と名産品の魅力

今回、原酒かすてら、みらい納豆、妻有ブレンドコーヒーといった名産品のパッケージのデザインを担当した、ミッチェルさんこと田邉明寛さんは、実は京都精華大学でプロダクトデザインコースを専攻する大学生。
Rooootsプロジェクトを通じて田邉さんが見たもの、感じたものとはなにか?ちょうど、グッドデザインEXPOの準備ただ中にいた田邉さんに、お話を伺ってみました。

黄色をベースカラーにするということは初めから決まっていました(原酒かすてら)


LW:では、次に田邉さんがデザインを担当した、プロダクトのデザインについて聴かせてください。
まず、「原酒かすてら」は、リデザインされたことで非常な人気を博した商品のひとつです。デザインで「原酒×カステラ」というイメージを伝えるのに、さぞや苦労したのではないかと思いますが、いかがでしたか?

田邉:すごく・・・難しかったですね(笑)。特に、日本酒という特徴と、まろやかなカステラの味の両方をどうやって伝えるのか、考えるのが大変で。「原酒かすてら」は、日本酒の香りとやわらかいチーズケーキのような感触が特徴で、とてもおいしいんですね。でも、以前のパッケージのデザインは、毛筆でこてこての「日本酒」というイメージだけが押し出されていて、そのおいしさが伝わりにくいと思いました。

実際に自分がデザインしてみて、日本酒の「和」と洋菓子の「洋」というイメージのバランスをとるのに苦労しました。また、パッケージの形状と、中の金色の箱は決め打ち、巻紙だけをデザインするという制約条件も、大きな課題でした。

LW:デザインでこだわったところはどんなところですか?

田邉:内箱の色が金色で、また、さらに中のカステラが黄色だったので、黄色をベースカラーにするのがベストということは、初めの段階で決まっていました。食べ物の場合、中身の色を表面に出してあげると、おいしそうに見えるといわれているので、そこは絶対に推そうと思ったんです。

そして、ラベルの形が「お酒の雫=日本酒」のイメージを、つながっている「かすてら」のロゴは、くちどけ感を表現しています。そして、黄色と白のコントラストで、和と洋のバランスを整えました。

それと、これはロフトワークのディレクターの方と相談して決めたんですが、仕掛けとして巻紙の裏を真っ赤にしました。これは開けたときに新鮮な驚きがあるのと、お祝いなどのめでたい席や、高級感のイメージにもつながる、という狙いがあります。

LW:確かに、以前のデザインよりも高級感も増して、おいしそう。手に取ってみたくなりますね。

あえて極限まで要素を削って、中味に信頼感がわくデザインに(みらい納豆)

LW:みらい納豆は、すごくシンプルな印象ですね。審査員の佐藤 卓さん、秋田 寛さんらの評価が高いデザインでもありました。

田邉:初めから「シンプル」という方向性はすんなり出てきましたね。有機栽培、天然の納豆菌、自然のおいしさという要素を伝えるために、あえて極限まで要素を削って、中味に信頼感がわくデザインにしました。「みらい納豆」の「納豆」の文字は粘り気を出したかったのですが、いいフォントがなくて、自分で手書きしました。関西では、納豆自体あまり食べられないのですが、特に三角の納豆は珍しかったので、新鮮な気持ちでデザインできたと思います。

LW:コーヒーのデザインは、どんなところを工夫しましたか? お花がとってもかわいいのですが。

田邉:コーヒーが花のパッケージって、既存のイメージからはだいぶかけ離れてますよね(笑)。だいたい豆のイメージがあって、茶色や暗い色がメインカラーというのが定番なんですが。

コーヒーは、もともと公募で審査員賞をいただいた羊羹のデザインが業者の方に好評で、そのテイストを踏んでほしいという要望をいただいていました。それぞれのブレンドに花の名前が付いていたのと、実際にコーヒー飲んでみても花のようないい香りがしたので、花をデザインを中心に持ってくることにしました。

ただ、創ってみて難しかったのが、花を使うとハーブティーの方にイメージがよりがちになってしまうということ。コーヒーらしさを出すために、黄色がかった紙を採用し、コーヒーのマークや文字色も茶色に統一しました。また、文字は丸ゴシックを使うことで、まろやかさを出しました。

デザインが立体物になり、店頭に並び、人の手に渡っていくことに、素直に感動

LW:では、最後に、Rooootsに参加してみた感想を教えてください。

田邉:僕が担当した商品はどれも中身の品質は高かったので、「デザインでもっとたくさんの人の手に取ってもらえるはず」という気持で取り組みました。実際に流通する商品をデザインしたのは今回が初めてで、商品のよさを伝えられるかどうか、自分の真のデザイン力が試される機会に、期待半分、不安半分でした。

商品のパッケージにおいて一番重要なのは、自己表現ではなく、商品の中身をよりよく見せることができるかどうかだと思っています。このパッケージデザインでおいしさが表現されているのか?これで安心して人の手にとってもらえるのか? この素材でいいのか?・・・など、常に自分のデザインした物を疑いながら最終デザインへの詰め作業には、最後まで悩みぬきました。

今は、こうして自分が作ったデザインが立体物になり、店頭に並び、人の手に渡っていくことに、素直に感動しています。これで商品の売れ行きが上がってくれれば、本当にいうことなしです(笑)。

LW:本日は、ありがとうございました!

大学卒業後は、プロダクトとグラフィックの境界線を越えて、クリエイティブをトータルでプランニングできるような仕事がしたいと語る田邉さん。これから、どんな面白いプロダクトを生み出すクリエイターになるのか、将来が楽しみです!!n
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